盲導犬を連れている方へのお声がけ
躊躇せずにお声がけできるよう、予備知識を備えておきましょう!
先日、電車に盲導犬を連れているおじさまが乗っていました。
(以降、親しみを込めて“おじさん”と呼ばせていただきます)
乗り換えのために、私は電車を降りて、ホーム向かい側の人の列に並びました。
しばらくすると、おじさんが、並んでいる人々の列と列の間を歩いてきました。
『盲導犬がいるので、点線で止まるだろう』と、思いきや、点線を越えました!
『え?!とまらない?!?!』
ホームの端、線路まで数歩!
『盲導犬は落ちたくないから、止まるはず!止まれ~!』
止まりました~。ふぅ~。
ホッとしたのも、つかの間。
おじさんは、片足でホームのヘリを確認しています。
『こんな訓練あるの?』
『電車が入ってきたら、風圧でバランスを崩して、電車に接触してしまうのでは?』
『ヘリにいることをおじさんが分かっていても、危なげだなぁ』
『盲導犬は、点線の内側に、いつ連れて行くんだろう』
『人間でさえ失敗することがあるのに、訓練された犬でも、失敗はあるかもしれないよねぇ』
自分と同じように、周りの人もだれひとり、戸惑っているのか声をかけません。
“どうやって声をかけたらいいのか、わからない”
“盲導犬の仕事の邪魔をしたくない”
“そもそも、訓練された盲導犬を連れている方は、放っておいて大丈夫なのではないか”
“声をかけることが、正解か不正解か、わからない”
そのときです!!
盲導犬が、線路をのぞき込むように首を前に出して、左右を確認しはじめました。
『あぶないっっっ!!』
おじさんの手が盲導犬にひかれて、少しでもバランスを崩したら、線路に落ちてしまう!!
とっさに体が動きました。
ヘリにいるため、おじさんと盲導犬を刺激しないよう、「あぶないですよ」と、声をかけてから、そっとおじさんの腕に手を添えました。
おじさん「まだ、電車は入ってきてないんでしょう」
わたし「まだですよ。後ろにさがりましょう」
点線の内側まで、ご案内しました。
「ここが点線の内側です」
『おじさんの返答からして、訓練のうちだったのかもしれない』
まもなく、電車が到着して扉が開きました。
わたし「〇〇行きの急行電車です。乗りますか?」
おじさん「乗ります」
列をつくる人たちが乗り終えたのを確認して、「扉があきました」と、お伝えすると、おじさんは、盲導犬に指示をだして、電車に乗りました。
私に一言も声をかけることなく...。
その後、ネットで調べました。
“盲導犬を連れている方に、どうやって声をかけたらいいのか”
“盲導犬を連れている方に、そもそも声をかける必要はあったのか”
わたしは知らなかったのです。
良かれと思ってとった行動で、おじさんを不愉快にさせてしまったかもしれないのです。おじさんの態度から、私はそのように受け取っておりました。
それと、周りでおじさんをみながら、ソワソワしていた人々も、盲導犬を連れたひとへの対応を知らないから、声をかけられなかったのでしょう。
ネットでは数件、盲導犬を連れた方の電車での死亡事故が、検索にあがってきました。
ひとが完璧ではないように、訓練された犬でも、臨機応変な判断がどこまでできるかは、個体差があるようですね。
『回避できてよかった』
今回のお声がけが、たとえ自分の失敗だったとしても、“なにかあってからでは遅い”のです。
盲導犬を連れている方へのお声がけは...?
まずは、「盲導犬の方」と、よびかける。
「盲導犬の方、とまってください」とか。
緊急の場合は、そんな悠長なこと言ってられませんから、「あぶない!」と、危険から遠ざけてもいいそうです。
必要なときに、お声がけできるようにしておきましょうね!
※ご参考まで