ウソつきの達人

この達人がそばにいると、厄介です。

 

どんなものにも『達人』は、いるわけで...。

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ある企業に、勤めたときのこと。

その会社には、ほとんどの社員が“うそつき”と認識している、Aさんがおりました。
わたしが入社してからというもの、Aさんは毎日毎日、愚痴、不平不満を口にしていました。
「あのひとは、こんなことしたのよ、ひどいでしょう」
「あのひとは、こんなひどいこと言ったのよ、どうおもう?」
わたしは、一方の話だけを聞いて判断しません。
「それは、辛かったでしょうね」
「それは、誤解かもしれませんよ?」
そんなふうに、話を聞いておりました。
真実かどうかは、さておき。受け取った側が不愉快に感じたことは、“当人にとっては事実”なので、その事実については、話を受け入れていたのです。

 

ある日のことです。
数ヶ月、一緒に仕事をしているパートナーの様子がおかしい。
いつも明るく楽しい人が、わたしにムッとした態度をとるのです。
「なにかありましたか?」と、尋ねると、「べつに」ぷいっ。
「そうですか」と、わたしは引き下がりました。
話したくない人から、ムリに話を聞きだそうとはしません。
話したくない理由があるからです。
ただ、私は“話したくなるように仕向ける”のが、得意です。

しばらくすると、「あの...、ちょっといいですか?」パートナーが声をかけてきました。
ふっふっふ、かかったな~。
「ひかるさん、Aさんの財産を狙ってるんですか?」
「へっっっ?!」
なんなんだ?この突拍子もない発言は。
予想もできなかった発言に、あまりにも驚いて、変な声がでちゃいました。
ひかる「あの~、わたしは人のものに興味はないし、Aさんに財産があるかどうかも、しりませんけど」
パートナー「ですよね!よかった~」
ひかる「私の身なりは、金銭に困っているようには見えない、と思うんだけどなぁ」
パートナー「全然みえません。みるからに高そ...、あ、いえ、ステキです」
ひかる「ま、困っていたとしても、人のものを奪うような真似はしないけどね~」
パートナー「うんうん」
ひかる「狙われてるって、Aさんが言ってたんだ~」
パートナー「はい。...あっ!いっちゃった!!内緒って言われてたのに!私のバカバカ!Aさんにだまされた、私もバカバカ!」
またしても、私の誘導にかかったパートナーでありました...。
自分の頭をコツコツ叩きながらの“バカバカ”は、かわいいですね~。
ほんと、純粋でかわいらしいパートナーなのです。
年上の方に“かわいい”なんて、失礼かもしれませんが。
ひかる「大丈夫ですよ。Aさんに怒ったり言ったりしないから」
パートナー「やっぱり違ってたかぁ~。そうだと思ったんですよ~」
いや、あなた、すっかり信じきってたでしょう。

なにがかなしいって、“数か月間一緒にいて、信頼関係を築けた”と思っていたのに、“まだまだ、築けていなかった”ことです。

はぁ~、人間関係ってむずかしいねぇ~。

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さてさて。

Aさんが『うそつき』だという認識があるパートナーに対して、現実離れした『財産が狙われている』という話を、パートナーに“信じ込ませる”ことができる。

Aさんの『うそつき』の才能は、“達人”だったのです。

猜疑心のある人に信じ込ませるって、スゴイことですよ。
ほんとうに感心してしまいました。

 

惜しむらくは、この才能を“ひとが喜ぶことのために使っていない”こと。

せっかく人を信じさせることのできる、すばらしい才能なのだから。

『自信のない人に、自信をもってもらう』
『やる気のない人を、やる気にさせる』
喜ばれる方向に、つかっていただきたいものです。

 

あなたの
“才能”は
なんですか?

 

どんなふうに
“才能”を
つかっていますか?

 

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日々、生きてる

Posted by Hikaru